相方のれーかが書いてくれたものです♪

某日、一緒に出かけた時に「今、扇ヴィレの結婚前夜SS書いてるよー☆」と言われたので、
物凄い勢いでワクテカしつつ待っていたところ…スゴイのが届きました。



扇さん家の結婚前夜

「…凄く大掛かりなことになってきている…」
「…ごめん、ヴィレッタ。…なんだか皆張り切っちゃって…」
わいわいと準備に忙しい様子を見て、ヴィレッタが少し吃驚している。
…俺も同じ気持ちだ。

ことの始まりは久しぶりに黒の騎士団の主要メンバーが集まったときだ。
「ええっ!!扇さんとヴィレッタさん結婚式挙げないんですかっ!?」
「あ、ああ…今も復興とか後始末とかで忙しいし…一応写真だけは撮っておこうという話に…」
「そんなのだめですよ!!扇さん!!結婚式は大事なんですよ!?」
バンっとすごい勢いで机を叩いてカレンが主張する。
「ヴィレッタさんだって本当は挙げたいと思っているかもしれませんよ…?」
「だよなあー女ってそういうのこだわるみたいだしなあー」
「大分情勢も落ち着いてきたし、今のうちに挙げたほうがいいぞー」
「アタシはどうでもいいけどぉ〜」
と、周りも言うので、あれよあれよという間に黒の騎士団の協力で結婚式を挙げることになった。

「これどこに持っていったらいいですかー?」
「来賓客リストできました、確認よろしくおねがいしまーす」
「料理の手配ですけど…」
待機している部屋の一室から準備に慌しい外を見ている。…2階なので外の声は少し遠い。
…明日の主役なんだから準備の邪魔はしないでくださいね!という風に言われてしまったので何も出来ないのがどうにも落ち着かない。
「…少し落ち着いたらどうだ?」
「うーん、そうなんだけどなあ…」
振り返るとヴィレッタがくすくすと笑っている。…その後ろには白いウエディングドレス。
本当に急な話で、結婚式の前日になって先ほどようやくサイズのあうウエディングドレスが届いたので試着をしていたらしい。
「せっかくだからお色直しで白無垢も着たかった」とか言っていたけれど、残念なことに白無垢が上手く手配できなかったので、そちらはまた後日写真を撮ることになった。
それはそれで楽しみなのだけど…
「要、どうした?」
優しく君は聞いてくる。
「…うん、俺は幸せだなあって」
俺はこんなにも幸せだ。大事な仲間が傍にいて今も支えてくれて、君もいる。

だけど、それは…
「…ヴィレッタ、結婚式が終わったらあの話を受けようって思うんだ」
「いいのか?」
窓の外には幸せな風景…それは、たぶんきっと俺だけじゃなくてゼロ…ルルーシュも望んでいた風景だったに違いない。
「俺は政治の事とかわからないし、黒の騎士団の事務総長なんて職についていたけど全然役にたったことなんかない…だけど」
ギアスの事は許せない、彼のした事も許すことは出来ない。
…だけど、多分彼が望んだことは…俺やヴィレッタや他の皆が願っていたこととそんなに変わらない事だったって今は思える。
…彼は世界の憎悪を一身に受けて去ってしまったけれど、まだまだ世界には問題が山積みだ。
それを無視することは出来ない、いつも事後処理は自分の仕事だったのだ。
皆も助けてくれる、きっとできる。
…たぶん彼の事だから俺がそういう行動に出るというのを見越しているだろう。
最後の最後まで本当に身勝手な男だ。
たまに考えるもしもの事…辿る道が違わなければ、もっとお互いに分かり合えていたら、ギアスがなければ…
明日の結婚式にはルルーシュも祝福しに来てくれたかもしれない。
…そう思うと、彼が明日いないことが少し寂しい。
「…俺に何処まで出来るかわからないけれど、頑張ろうって
これから凄く忙しくなって…ヴィレッタも大変なのに手伝ったり出来ないかもしれないし、寂しい思いをさせると思う …それでも…」
「要、バカだなお前は」
続きを言おうとしたらヴィレッタがぎゅっと俺を抱きしめてきた。
「…私の事や子供の事は心配しなくていいし、…私がお前を支えるから」
だから、生まれてきた子供にダメなお父さんだと思われないようにがんばって。
その言葉に嬉しすぎてヴィレッタを抱きしめ返しながら
「…うん、ヴィレッタ愛してる…!!」
「…私も…「記録、完了」…ってえええ!?」
「??」
聞き覚えのない声が窓から聞こえる。
くるりと後ろを振り返ると…ナイトメアフレーム(たしかトリスタンだ)の手のひらに桃色の髪をした少女がいて、携帯で撮影をしているようだ。
「アールストレイム卿〜〜〜!!何をしているんですかっ!!」
「…見ての通り、記録。明日来れない人からの頼まれ事。それからもう卿はいらないから、アーニャでいい」
『あははーアヴァロンから直接きちゃいましたー!!ヴィレッタ先生、扇さん―結婚おめでとうございますー』
「…ええっと、ジノさんだっけ…?」
確か元ナイトオブラウンズ達で、ヴィレッタが先生をしていた学園に学生として来ていたこともあったらしい。
ジノのほうはカレンと友達(カレンは否定する)なので多少顔見知りだから声を聞いてわかった。
「ジノもアーニャもそのナイトメアフレームを邪魔にならないところに置いてこい!!」
『はーい、じゃあ行こうかアーニャ』
「…ちょっとまって」
ヴィレッタの剣幕にジノが立ち去ろうとしたが、アーニャがごそごそと後ろから大きな荷物を出してくる。
「これ、オレンジから美味しいワイン。「皆で飲んでくれ、結婚おめでとう。いけなくて申し訳ない」と言っていた。
…あとこっちはサヨコから安産オマモリ?「…敵だけど、馬鹿みたいだけど好きになってしまったんだー。という扇様の告白シーンの録画を皆様にお見せできなくて残念です。」だって」
あっけに取られている間に、じゃ、伝言オワリ。そう言ってアーニャとジノ達は去っていった。
…まるで嵐だ。外から聞こえてくる騒がしい声を聞いていると明日はさらに酷いことになりそうだ。

気を取り直して、ごほんと咳払いをしてヴィレッタに向き直る。
「…ヴィレッタ、幸せになろう、絶対に幸せにしてみせるから」
愛しているといおうと思ったけれど、そこでちゃんとこの言葉を今まで言っていないことに気がついてしまった。
「だから…明日、俺と結婚してくれますか」
「…結婚式がもう明日という時にようやくプロポーズ?」
意地悪気にヴィレッタが微笑んだあと…

返ってきた返事は勿論「はい」だった。

fin



最後のプロポーズが反則です、これは反則です(2回言った)、だがそこがいい、この反則は良い反則です。
協力して結婚式を準備〜という、騎士団の皆の仲の良さに悶えます、結婚式挙げなきゃと主張するカレンが可愛くてたまらんです。
事後処理はいつも自分の仕事だった扇さんが良いです、扇さんはそういう人だと思っています、そんな扇さんが大好きです。
ジノとアーニャの乱入が楽しくて仕方ないです、直接出てないけどジェレミア卿とサヨコさんが美味しすぎます。
ナイトメアフレーム置いて来いと言うヴィレッタさんの先生っぷりが微笑ましくてニヤニヤです。
でもって、最後にプロポーズがやっぱり反則です、これは反則です、さらにヴィレッタさんが強烈に反則です、萌えた…蝶萌えたッッ!!!

流石は長年連れ添った(笑)相方です…おまえは、なんでそう、わたしの萌えツボを的確に突いてくるんだ、愛してます。
相方、ステキなSSをありがとう、本当にありがとう…!!!全力でときめいたッ!萌えたッ!!!扇ヴィレ万歳ーーーッッ!!!