相方のれーかが書いてくれたものです♪
相変わらず、ヤツはわたしの相方であり萌え神様だな!!と思いました…☆
ふははははーー!!みんな読んでニヤニヤするといい!!!
「総理大臣の贈り物」
3月13日
「ううう…ホワイトデーどうしよう…」
「さっきから扇さんそればっかりですね…」
玉城が経営するバーのカウンターで突っ伏してうめき声を上げる扇に
たまたま、母親が今日は知り合いと出かけているので夕飯を食べにきていたカレンが苦笑いを浮かべる。
「ったく、バレンタインからずっと悩んで…とうとうホワイトデー前日じゃねえか
総理大臣様情けないなあ」
「…え、バレンタインから悩んでたんですか…扇さん…」
首相の仕事も忙しいだろうに、暇を見つけては玉城の店にやってきては
黒の騎士団時代から女性に何を送ったらいいのかやたらと詳しい(成功率はさておき)
玉城にずっと相談していたのだった。
「指輪とかネックレスとかにしたらどうだって言ったけどよー」
「…そういうのは、いらないってヴィレッタが」
そもそも、ホワイトデー自体が日本独自のイベントであって、
ブリタニアではやらないものだから、テレビなどを見て知って逆にビックリしたらしい。
「でも、何か贈りたいんですよね…」
うーんとカレンが悩んでから、何かを思い出す。
「あのオレン…ジェレミアさんに聞くとか」
「あーー…このまえみかん送ってもらったお礼の電話かけた時に聞いたんだけどね…逆に
『すまないが…<日本の女性からのバレンタインチョコにはホワイトデーで3倍返しという伝統がございます、
期待しておりますジェレミア様。>…と言われたのだが何を贈ればいいのかね!?』
とか言われちゃって…」
バレンタインからずっと、同居してる元ラウンズとたまに来る隠密メイドから色々期待に満ちた眼差しで見られて困っているらしい。
「いいなあ、ハーレムじゃねえか〜〜」
「…うらやましいか?」
「まあ、ジェレミアさんの事は置いといて…無難にクッキーとかキャンディでもいいと思いますよ」
カレンが脱線した話を再び扇のホワイトデーの贈り物に戻す。
「明日はナナリー達とのパーティーでしょ、扇さん。何か凝ったものはもう無理じゃないかなと思うんですけど」
「やっぱりそうなるかな…妊娠中だからどうかなと思ったのだけど、ありがとう、カレン。
もう少し考えて思いつかなかったら、どっちかにしておくよ」
そう言って、ヴィレッタの待つ家に帰ることにした。
*
3月14日
今日はブリタニア側の代表ナナリーや超合衆国評議会最高議長の神楽耶が主催しての会食だ。
会食は和やかに終わろうとしていた頃。
「…ホワイトデーに貰って嬉しいものですか?」
「…扇首相は相変わらずの奥様思いですわね、妬けちゃいますわ」
今日がホワイトデーということが話題に上がって、相談してみたら二人とも真剣に相談にのってくれた。
「お花なんてどうでしょう?綺麗で香りも素敵だし、家の中も華やかになりますよ
…私が貰って嬉しかった贈り物の話ですので、参考になるかわかりませんが」
ホワイトデーだけじゃなくよく贈り物として貰っていたらしい。
「それにプラスして何か…紅茶とかお酒とかもう少し欲しいところですわね…」
「あ、それはいいですね。…参考にします」
…花束と何かお土産を抱えて家に帰る様はなんとも恥ずかしいなんて思っていると。
「もしもお花を贈る場合には…妊婦さんにはなるべく濃い目で香りのきついものは避けておくほうがいいらしいですよ」
「む」
「…お茶やお酒も色々ありますものねえ…」
「むむ」
よさそうだと思っても、再び難関が立ちはだかる。
…この調子だと、ホワイトデーに間に合わない気がしてきた。
そして…3月某日
「ただいまー…」
ああ、結局14日は何も出来なかった。
それから数日悩みに悩んで、白やピンクとか優しい色彩の花で作ってもらった花束とカレンお奨めのお店で購入したプリンに決めた。
「おかえりなさいー、ちょうど夕飯出来上がったところだったからちょうど良かった…」
台所から弾んだヴィレッタの声とおいしそうな香りがする。
花束とプリンの入った箱を抱えて台所に行くと
「…アレ?」
いつもよりも豪華だ。
今日は何かいいことでもあったのだろうか?
「…どうしたんだ?それ」
ヴィレッタがもう一つさらに料理を持って机に置きながら、俺が手に持っている花束とプリンの箱を見て首をかしげる。
「あ、えーと…これは…」
このままじゃ駄目だと思い、咳払いを一つしてからヴィレッタに花束を差し出す。
「…ヴィレッタ、ホワイトデーは少し過ぎたけど、バレンタインデーのお返し。
あと、これはカレンお奨めのプリン…ケーキにしようかなと思ったけど…」
「ケーキじゃなくてよかった。私はケーキを買っていたから」
「…へ?」
どういうことかわからなかった。今度は俺が首をかしげる番だった。
「…要、今日は何日?」
「えーと、18日…?」
何かあっただろうか、そう思って首をかしげながら考えるがわからない。
ヴィレッタが困ったような笑顔を浮かべながら貰った花束を邪魔にならない場所に置き、
机の上にあったプレゼント包装された細い箱を差し出す。
「…お誕生日おめでとう、要」
「あ……あーーーーっ!!」
すっかり忘れていた。
そういえば、カレンたちもそういう事を言っていたような気が今更思い出す。
「…ホワイトデーのお返しで頭一杯で自分の誕生日忘れるなんて…要らしいけど」
ヴィレッタが慌てる俺を見ながらクスクスと笑う。
自分の誕生日に数日前のホワイトデーの贈り物をヴィレッタに贈ったのに、その直後逆に贈り物をされるなんて
…なんていうか、凄く恥ずかしい。
「…来年はこういう事態にならないように気をつけるよ…本当に情けないなあ…」
恥ずかしさで赤面しつつ、ぼそぼそとそれだけいう事が出来た。
こうして、ホワイトデーなのか誕生日なのかよくわからない夕食が始まった。
…後日、うっかり口を滑らせてしまって玉城やカレンにからかわれるだろう。
「…それでも、そんな情けないあなたが好きよ」
「…え?何か言った…?」
「ううん?なんでもない。…さ、早く座って?夕飯冷めてしまうから」
…まあいいか、ヴィレッタは一応喜んでもらえたようだし。
誕生日なんていつの間にか調べられてたのか、誕生日プレゼントまで貰ってしまったし、
結果的には良かったのではないだろうか。
…そう思うことにしよう。
Fin
世間からも『愛妻家で有名な扇首相』とか言われてたりするんですね、わかります!!
自分の誕生日忘れるあたりが扇さんらしい…きっと、ヴィレッタさんの誕生日には花束抱えて帰るんだろうなぁ…☆
そして、前回に続き(笑)直接出てきてないけどジェレミア卿が美味しすぎる…!!ハーレムみかん農園いいなぁ…☆
あ、タイトルの元ネタは『賢者の贈り物』から、だそうです!!
ホワイトデーSSだと思って読んでいたら、実は誕生日SSでもあったという一挙両得、二度美味しいSSでしたっ!!
相方、本当にありがとうーー!!!ラブ!!!!